こんにちは、台北パスポート大野です。
今回は台湾の電子決済についてご案内しようかと思います。私も日本帰国時はクレジットやPaypayをメインにコンビニなどで支払いをしてます。
台湾でもキャッシュレスへの移行が進んでいますが、どんな電子決済方法があるのかぜひ紹介していきたいと思います。ちなみにいずれのアプリも、身分証と紐づけが必要となるので、スマホでの電子決済は居住証をもつ台湾住在の方だけになると思います!
旅行の方は残念ながら現金かクレジット、もしくはコンビニなどで売っている【悠遊卡(Easy card)】【一卡通(iPASS)】といった交通系のカードが購入できますので、購入してそのままコンビニでチャージをするか、駅の券売機でSuicaのようにチャージして、地下鉄(MRT)やバス、コンビニの支払いに利用することができます!
こんなにたくさん台湾の電子決済!
種類 | 提供会社 | メリット |
---|---|---|
LINE Pay | LINE | • LINEアプリを直接使用 • 提携店舗が多く、利用者数が多い • 7歳以上の未成年は両親の同意を得て一卡通Moneyを申請可能 |
一卡通Money | 一卡通票證公司 | • 一卡通は電子決済アカウントで、LINE Payの残高として使用可能 • 乗車コードで高雄のMRTになら乗車可能 |
Apple Pay | Apple | • Appleのスマホの市場占有率が高い • 提携店舗が多い |
街口支付 | 街口電子支付 | • 提携店舗が多く、一部夜市の屋台でも使用可能 • 台新クレジットカードを連携して支払いにキャッシュバックあり |
全支付 | 全聯福利中心 | • 全聯福利カードと統合され、消費の累積やポイントの割引がスマホで可能 |
悠遊付 | 悠遊卡 | • Easy card(悠遊卡)の自動チャージが可能 • NFC機能を持つAndroidスマホなら「嗶乗車」機能でMRT、台北バス、Youbikeなどに乗車可能 |
台灣Pay | 財金資訊 (台湾政府) | • 所得税、車両税、家屋税、地価税、台電、e-Bill全国支払いネットなどの支払いに使用可能 |
icash Pay | 愛金卡 (統一超商子会社) | • OPEN POINTポイントの積立てが可能 |
OPEN錢包 | 統一超及國泰世華銀行 | • OPEN POINTポイントの積立てが可能 |
全盈Pay | 全家便利商店/玉山銀行/拍付國際 | • ファミリーマートのポイントが他の店舗でも使用可能 • 特定のクレジットカードを連携してファミリーマートで支払いにキャッシュバックあり |
MyFamiPay | 全家便利商店 | • ファミリーマートのポイントの積立てが可能 • 特定のクレジットカードを連携してファミリーマートで支払いにキャッシュバックあり |
Google Pay | • 数千の店舗の会員カード、ポイントカードなどを統合可能 • Googleマップと連携し、Google Payと特典がある場所に到着すると通知 | |
Samsung Pay | Samsung | • 仮想Easy card(悠遊卡)機能があり、実物のEasy card(悠遊卡)を持たなくても使用可能 • Samsung Payで自動チャージ可能 |
Pi拍錢包 | 拍付國際 | • 台湾のどの銀行のクレジットカードや銀行口座とも連携可能 • ネットオークション、BBSグループ購入、FBグループなどで使用可能 |
中油 Pay | 中油公司及中國信託銀行 | • 中油ポイントの積立てが可能 |
歐付寶 | 歐付寶支付 | • 売り手が歐付寶を通じて支払いを受け取ることができ、国内の買い手がATM振込、クレジットカード、コンビニ支払いを利用可能 |
橘子支付 | 橘子行動支付 | • 橘子支付アプリで水道料金、電気料金、駐車料金、ガス料金、学費、医療費、交通監理、 地方税、有線テレビ料金の支払いが可能 • 7-11と提携して特典が多く、7-11で橘子支付を使用して支払い可能 |
種類がとても多いですね。ただEOL GROUPが出している統計では2024時点で最も多い決済手段はLINE PAYが単独で65.7%となっております。次にスーパーマーケット関連(全支付)の電子決済が47.3%、次いでコンビニ関連(i cash pay/全盈Pay/My Fami Pay)が46.1%となります。そして4番目によく使われているのが街口支付で30.2%の人が利用してます。
ちなみに私は上記のどれも利用して無くて、悠游付を使ってます。どのコンビニでも利用できるうえ、アプリでそのまま地下鉄(MRT)やバスに乗れるので超便利です。Youbikeはなぜか高雄市だけなので、台北市、新北市でも利用ができるようになればもう言う事無しです。
それぞれの決済方法を利用する目的とは?
日本のPaypayにもあるように台湾のそれぞれの支払方法には現金同等のポイント還元があるので消費者にとって電子決済をする動機になっています。加えて各電子決済で行われる割引や、他店舗でも利用できること、景品などのベネフィットがあるので、現金で支払いをするよりお得ですね。そのため2024年時点では、個人が電子決済ツールを平均3つほどスマホに入れているとのことです。
運営者側としても自社の系列の店舗で消費をしてもらうことが目的なので、利用者の囲い込みをするためテレビCMや街中の広告をよく目にします。
電子決済を利用する主な理由
現金のキャッシュバックあるから | 64% |
次回の消費に現金同等のポイントがあるから | 62% |
購入時に割引がある | 47% |
ポイントが系列でも使える | 31% |
ポイントが景品と交換できる | 27% |
会員ランクが上がるとより多くの特典がもらえる | 18% |
比較的女性の利用が多い
6割の消費者が割引やプロモーションを利用するために電子決済アプリをスマートフォンに入れているとのことです。注目すべきは、不定期に提供される割引や、ポイントと交換できるプレゼントなどの特典には、女性消費者の心を掴んでいます。ブランドにとって、アプリを通じたこうしたプロモーション戦略が、顧客との継続的な関係構築に効果的であることが示唆されています。
台湾進出の参考として
日本企業が台湾市場に進出する際には、現地の消費者に合わせた施策が重要なポイントだと思っております。今回の電子決済において、現地の台湾起業もこのようなポイント還元や割引クーポンを提供することで、リピーターを増やし、顧客のロイヤルティを高める施策を打ち出して競争が過熱していると言えます。
ぜひ台湾進出を検討している日本企業の皆様の参考としていただけたらと思います。
また次回どうぞよろしくお願いいたします。
台湾進出、台湾商品販売、台湾での現地通訳アテンドなど、リサーチ、交渉、コンサルティングなどご要望有りましたら、ぜひご連絡ください。